リワークセンター『SMAP』
■当院のリワークプログラム
リワークとは、うつ病を主とした気分障害により休職もしくは離職を余儀なくされた方に対して実施する復職支援プログラムです。当院のリワークは、名称をSMAP(S=職場に M=戻ろう A=アシスト P=プログラム)とし、気分障害の再発予防、復職し継続できるためのスキル獲得を目指しています。
■日本うつ病リワーク協会「認定施設」
当院が所属している日本うつ病リワーク協会では、質の高いリワークプログラムを社会へ普及させていくためリワークプログラムを実施する施設のうち適切な内容の施設を認定しています。
全国200以上の所属機関のうち、14施設が認定されており、中部地方では当院含め2施設のみが認定施設となっています(2024年4月時点)。詳しくは「日本うつ病リワーク協会ホームページ」をご覧ください。
スタッフ紹介
■スタッフ
医師1名 看護師2名 作業療法士1名 公認心理師2名 精神保健福祉士1名
■リワーク専門スタッフの在籍
当院が所属している日本うつ病リワーク協会では、リワークプログラムでの基本的な指導方法や経験を身につけたリワークスタッフの養成制度として「スタッフ認定制度」が設けられています。
スタッフ認定制度は「指導スタッフ」「専門スタッフ」「認定スタッフ」の3段階があります。当院では指導スタッフ4名が在籍しており、リワークに精通したスタッフで構成されています(2024年4月現在)。
利用するメリット
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- 生活リズムの確立
- 休職直後は生活リズムが乱れがちです。SMAPを定期的に利用していただくことで、実際の就労に合わせた起床・出勤・退勤・就寝という生活リズムを確立することができます。
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- 復職準備性の向上
- 仕事を継続するには、業務遂行に必要な体力、注意力や集中力、判断力、コミュニケーション能力、ストレス対処能力などが求められます。様々なプログラムを通してこうした能力を養い、復職準備性の向上を目指します。
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- 仲間の存在
- 病気による休職・離職という同じ悩みを抱えながら、社会復帰という共通の目的を持った仲間に出会えます。時には悩みを共有し支え合い、社会復帰に向けての不安を緩和することができます。
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- 再発・再休職予防
- 病気の発症や休職・離職の要因となった点を振り返り、再発や休職を繰り返さないための対策を考えることができます。個別の担当スタッフが定期的に面談を行うため、話し合いながら振り返り、理解を深めることができます。
復職・再就職に向けてのステップアップ
リワークはステップアップするにつれ参加日数が増え、プログラム内容の負荷が大きくなっていきます。
より職場環境に近い適度なストレスの中で生活する練習ができ、復職・再就職への準備を整えることができます。
週間予定(2024年4月現在)
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
午前 |
心理教育 |
集団精神療法/オフィスワーク |
休 |
集団認知行動療法/オフィスワーク |
SMAP委員会/オフィスワーク |
発達障害支援プログラム |
集団認知行動療法 |
オフィスワーク |
午後 |
アロマテラピー/ワークトレーニング |
ハンドワーク |
SST/ミーティング |
復職前講座/就職前講座 |
1週間の振り返り |
リワーク運営会議 |
オフィスワーク発表会 |
※発達障害支援プログラム・集団認知行動療法は登録制です。参加条件はスタッフにご確認ください。
※上記の週間予定は原則です。変更になることもありますのでご了承ください。
プログラム
心理教育 |
病気や治療についての講義を受け、病気との付き合い方、復職時に生じやすいストレスの対処法、再発予防について学びます。 |
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アロマテラピー |
専門家指導の下、心身のリラックス・ストレス発散を目的としてアロマテラピーを行います。また、実際にハーブ等を植えて育てています。 |
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ワークトレーニング |
呼吸に意識を向けたリラックス体操をはじめとして、卓球・散歩・モルックといった幅広いメニューを実施しています。活動を通して体力の維持・向上を目指します。 |
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集団精神療法 |
テ-マに基づく講義や話し合いを通じて、自分自身についての振り返りを行い自己理解を深めます。 |
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オフィスワーク |
病状や職務内容に応じて個別に課題設定し、取り組みます。集中力や持続力の改善を目的としています。例)読書、ビジネス文書作成など
また、これまでの自分の働き方を見直し、新たな働き方を獲得する自己分析課題にも取り組みます。 |
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ハンドワーク |
手作業を行うものからグループでの話し合いまで仕事に必要とされるスキルを磨く体験学習を行います。毎回、さまざまな課題に挑戦しています。 |
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リワーク運営会議 |
利用者の中で執行部を設け、委員会活動など利用者自身で行っているリワーク運営をサポートする活動に関する会議を行います。会議場面でのコミュニケーションの練習、社会人としての自発性の獲得を行います。 |
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オフィスワーク発表会 |
オフィスワークプログラムで個別に取り組んだ課題などをまとめて発表を行います。発表者は資料作成や、人前で発表する練習となり、その他の参加者は発表を通して自己理解を深めます。 |
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集団認知行動療法 |
自らの認知(考え方)や行動の特徴に着目し、修正したり新たな考えを得る事で気分の改善や行動の変化を図ります。 |
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ミーティング |
リワークに通所して間もない利用者を集め、話し合いを行うことでコミュニケーションの練習や生活状況を客観的に振り返り今後の生活に活かしていきます。 |
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SST
(社会生活技能訓練) |
人間関係での課題をテーマとして設定し、意見交換やロールプレイ(場面再現)を行います。人付き合いの中で発生するストレスを減らす技術を獲得します。 |
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SMAP委員会 |
リワーク運営をサポートする委員会活動を行い、職場を想定した実践的な取り組みをグループで行います。 |
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復職前講座/就職前講座 |
復職前講座は休職中の方を対象に、復職に向けてどのように準備を進めていけば良いか等を話し合うプログラムです。
就職前講座は離職中の方を対象に、利用できる社会制度に関する講義や、話し合いを通じて再就職の準備を進めていくプログラムです。 |
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1週間の振り返り |
1週間単位で日々の生活を振り返ります。生活上の変化に気付くことで、自身の状態を把握するセルフコントロール力を高めます。 |
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発達障害支援プログラム
発達障害の心理教育/
発達障害のプログラム |
発達障害の診断がある方、発達障害の傾向がある方向けのプログラムです。発達障害を知り、自分の特徴を掴む「発達障害の心理教育」や、テーマに応じて生活の中での対策を考える「発達障害のプログラム」を行っています。
詳しくは発達障害支援プログラムについて |
卒業者向けのプログラム
フォローアップセミナー/
フォローアップ交流会 |
リワークを卒業後、復職・再就職された方向けのプログラムです。リワークを卒業した仲間同士で交流することを通じて、再発予防・再休職予防に繋げます。 |
休職予防プログラム |
リワークを卒業された方だけでなく、働きながら休職予防を目指す方も対象としたプログラムです。リワークのノウハウを活用して再発予防・再休職予防に繋げます。
詳しくは休職予防プログラムについて |
1日の予定
9:00 |
受付開始 |
来所後に受付名簿への記入、必要書類の提出をしていただきます。 |
9:30 |
朝礼・ラジオ体操 |
朝礼はリワーク参加者の日直担当者が行います。 |
9:45 |
個人面談 |
定期的にリワーク参加者の面談を行います。 |
10:15 |
午前プログラム |
午前のプログラムを実施します。 |
11:45 |
昼食 |
昼食は無料サービスとして病院内カフェテリアのメニューを摂ることができます。 |
12:30 |
休憩 |
リワークセンター内で自由に過ごしてください。 |
13:30 |
午後プログラム |
午後のプログラムを実施します。 |
15:00 |
会計・清掃 |
清掃では役割分担に基づいた施設の清掃を行います。 |
15:20 |
終礼 |
明日の予定の確認、諸連絡などを行います。 |
ご利用にあたって
リワークプログラムは外来治療のひとつです。まずは主治医にご相談ください。
また、医療保険の適用となります。自立支援医療費制度や福祉医療制度等も利用できますので詳細についてはお問い合わせください。
☆自立支援医療適用の場合の参加料金 デイケア(1日)=約800円 ショートケア(半日)=約400円
遠方の方で利用を希望される方は、ネクステージ(支援アパート)の利用もできます。
利用したいと思ったら
- 当院以外で受診されている方は、まずは、かかりつけの先生にご相談ください。
- 先生の許可が出たら当院にリワークプログラム参加希望のご予約をしてください。
【フリーダイヤル】0120-57-2161(受付時間:午前9:00~午後5:00)
- 一度当院で診察を受けていただきます(その際、紹介状をお持ちください)。
- リワークセンターSMAPの見学
※その後の診察は、これまで通りかかりつけの先生に受診することもできます。
- SMAP利用開始
送迎サービスについて
地域によっては、送迎サービスもご利用いただけます。
運行エリア
- 大垣エリア:
大垣駅→養老町役場経由→当院
- 海津エリア:
駒野駅→海津庁舎→今尾経由→当院
- 上石津エリア:
上石津庁舎周辺→牧田経由→当院
- 垂井エリア:
旧垂井町役場→室原自治会館経由→当院
- 羽島・輪之内エリア:
南濃大橋東→羽島駅→福束橋東経由→当院
- 三重エリア:
下野代→美濃松山経由→当院
※各エリアとも、利用者の乗車日に合わせて運行します。
- 送迎バスは、コース・乗車場所等、調整してからのご利用になります。
- 詳細につきましては、来院の際にお尋ねください。
各企業の総務等人事担当の方へ
リワークセンターSMAP担当スタッフ
当院のリワークには、医療リワーク治療の専門的な経験を積んで日本うつ病リワーク協会から認定を受けたスタッフが複数在籍しています。復職支援に関するお悩みがあればお気軽にご相談ください!
- メンタル不調者の復職がうまくいかない・休職を繰り返してしまう
- 復職前にリハビリを行って欲しい
- 復職支援をどのように行えばよいか分からない
- メンタル不調(精神疾患)のことがよく分からない
- メンタル不調について社員教育が難しい
出張リワーク講座の利用をご検討ください!
2022年9月より「出張リワーク講座」を開始いたしました。医療リワークの専門スタッフが産業メンタルヘルスや復職支援に関する出張講座(1時間程度)を実施いたします。ご関心のある方は下記までお気軽にご連絡ください。
TEL. 0584-57-2511(代)
SMAPの利用者データ
SMAPは2013年3月の開設から、2024年3月までの11年間で403名の方に利用していただきました。
1日の平均利用者数は約14名となっています。その他のデータは下記をご参照ください。
※下記データは過去3年間の統計となります。
年齢構成(開始時点での年齢)
10~19歳 |
1人 |
20~29歳 |
22人 |
30~39歳 |
24人 |
40~49歳 |
30人 |
50~59歳 |
17人 |
60歳以上 |
1人 |
合計 |
95人 |
男女比
疾患別
うつ病 |
49人 |
躁うつ病・双極性障害 |
17人 |
神経症性障害 |
29人 |
その他 |
0人 |
合計 |
95人 |
業種(上位6種)
製造業 |
37人 |
医療・福祉 |
14人 |
公務員 |
10人 |
サービス業 |
7人 |
金融・保険 |
4人 |
卸売・小売 |
4人 |
その他 |
19人 |
合計 |
95人 |
利用者の転帰
現在利用者の内訳(2024年3月現在) |
初回利用 |
22人 |
再利用 |
7人 |
合計 |
29人 |
利用者の転帰 |
復職・就職 |
55人 |
他機関移行等 |
13人 |
中止 |
20人 |
合計 |
88人 |
※学生は除く
復職・再就職率 63%
卒業者の声
- リワークに来ることでリズムが整い、体力も回復して良かったです。(30代・男性)
- リワークプログラムを受講して、自分の病気と身体と向きあうこと、休養することの大切さ、今の自分をみること、うつ病になったのは自分一人ではなく同じ病気で苦しんできた仲間がいること、自身の考え方のクセ、コミュニケーションの大切さなど、病気にならなかったら・リワーク施設に通所しなければ考えることも気付くこともなかったと思う。プログラムを受講したから病気と共に無理せずにゆっくりと歩んで行こうと思えた。出逢ったスタッフと仲間に感謝です。(50代・女性)
- リワークプログラムで学んだスキルやアドバイスを生かし、ストレスや不安をコントロールするスキルを身に付けることができました。またプログラムで提供された個別面談やSSTなどにより、自分自身の感情や思考について深く理解することができ復職することができました。ありがとうございました。(50代・男性)
- 同じような病気の方々だからこそ分かりあえることがあり、一人じゃないと思うことができた。また、いろいろなプログラムに参加することで人前で発言することができるようになった。(50代・女性)